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フレッツ光VDSLが遅いマンションで光回線工事するには

VDSL方式のマンションで

「どうすれば光配線方式に変更できるのか」

「変更工事が難しい場合はどうすれば良いのか」を、

成功事例や具体的な選択肢を交えながらまとめました。

VDSL配線の集合住宅から光配線に変更するには

多くのマンションでは、電柱から共有スペース(MDF室)までは光ファイバーが来ています。

しかし、そこから各部屋までは既存の電話回線を利用するVDSL方式が採用されていることが多いです。

配線方式 共用部から各戸までの配線 最大通信速度(理論値)
VDSL方式 電話回線 100Mbps
光配線方式 光ファイバー 1Gbps~10Gbps

【解説】 上の表の通り、VDSL方式では各部屋までの最後の部分が電話回線のため、速度が最大100Mbpsに制限されてしまいます。光回線のメリットを最大限に引き出すには、各部屋まで光ファイバーを引き込む光配線方式への変更が必要です。

 

VDSLから光配線にできない理由

光配線への変更を希望しても、すぐには実現できないケースがあります。

その主な理由を見ていきましょう。

  • 物理的な問題: 共用スペースから各戸へ光ファイバーを通すための配管(CD管)がない、または配管が詰まっている、水没している。
  • 管理組合の合意形成: 工事には管理組合の許可が必須です。しかし、インターネット環境に不満がない住民も多く、全戸規模の工事となるため合意形成が難しい場合があります。
  • 過去の調査結果: 以前にNTTなどの通信事業者に調査を依頼し、「工事不可」と判断されていると、再度依頼しても難しいと諦めてしまうケース。

 

VDSLから光配線にできた事例

諦めるのはまだ早いです。実際にVDSLから光配線への変更に成功した事例もあります。

ある分譲マンションでは、コロナ禍をきっかけに在宅ワークが増え、通信速度への不満が高まりました。

  1. 住民有志による調査: まずは自分たちで建物の図面を確認し、配管のルートを調査。
  2. 管理組合への働きかけ: 調査結果をもとに、光配線化のメリットと必要性を理事会に粘り強く説明。
  3. NTTへの再調査依頼: 地下ピットの水抜き業者を手配し、配管が利用可能であることを確認した上でNTTに再調査を依頼。
  4. 工事の実現: 結果、「工事可能」の判断が下り、大きな費用負担なく全戸の光配線化を実現しました。

 

マンション管理組合(管理側)でできること

  • アンケートの実施: 全住民を対象に、現在のネット環境への満足度や光配線化への希望を調査し、ニーズを可視化する。
  • 専門家への相談: 通信工事の専門家やコンサルタントに相談し、建物の設備調査や最適なプランの提案を受ける。
  • 住民説明会の開催: 通信事業者を招き、工事内容やメリット、費用について説明会を開催し、住民の理解を深める。

 

マンション住人側ができること

  • まずは管理会社・大家さんに相談: 光配線にしたい旨を伝え、建物全体の状況を確認してもらう。
  • 同じマンションの住民と協力する: 同じように速度に不満を持つ住民と協力し、複数人で管理組合に要望を出すことで、議題として取り上げられやすくなります。
  • 戸建てプランを検討する: 管理組合の許可が得られれば、電柱から直接自室に光ファイバーを引き込む「戸建てプラン」を契約できる場合があります。(外壁に穴を開ける工事が必要になることも)

 

各社の光配線方式

光配線への変更を検討する際、主要な通信事業者の特徴

通信事業者 特徴 マンションへの導入
NTT(フレッツ光) 提供エリアが最も広い。過去に工事不可と判断されても、条件が変われば再調査で可能になる場合がある。 積極的に導入提案を行っている。
auひかり(KDDI) 独自の回線網を持つ。VDSL方式のマンションからFTTH(光配線)方式への個別の切り替え工事は原則行っていない。 G.fast方式での速度向上が可能
NURO光 独自の高速通信規格が魅力。ただし、NTTの設備を利用するため、NTTが工事不可と判断した場合はNURO光も導入できない。 提供エリアが限定的。

【解説】 マンション全体で光配線化を目指す場合、最も現実的な選択肢はNTT(フレッツ光)となることが多いです。提供エリアの広さと、柔軟な対応が期待できる点が強みです。auひかりやNURO光は、独自のサービスを提供していますが、マンション全体の設備変更という点ではハードルが高い場合があります。

 

 

VDSLしか使えないマンションの選択肢

管理組合の合意が得られない、物理的に工事ができないなど、どうしても光配線にできない場合の代替案も見ていきましょう。

J:COM NET 1Gについて

ケーブルテレビの回線を利用したインターネットサービスです。

項目 内容
回線種別 同軸ケーブル(HFC)
最大速度 下り: 1Gbps / 上り: 100Mbps
特徴 ・既にJ:COMが導入済みの建物なら工事不要な場合が多い。
・VDSLマンションで選べる最も高速な回線

【解説】 J:COM NETの1Gコースは、下り速度は光回線に匹敵します。手軽に導入できる点は大きなメリットです。

 

G.fast (auひかりマンションタイプG) について

既存の電話回線(メタル線)を使いながら、高速化を実現する技術です。

項目 内容
回線種別 電話回線
最大速度 下り: 664Mbps / 上り: 166Mbps
特徴 ・VDSLからの移行で、比較的手軽に速度向上が見込める。
・auひかりが導入済みのマンションで提供される。
・利用可能エリア拡大中

【解説】 G.fastは、VDSLの進化版ともいえる技術で、配線を変更することなく速度を向上させることができます。auひかりが導入されているマンションで、速度に不満がある場合は選択肢の一つとなりますが、誰でも申し込めるわけではない点に注意が必要です。

 

まとめ

マンションのVDSL問題を解決するには、まず建物の設備状況を正確に把握することが第一歩です。その上で、管理組合や他の住民と協力し、粘り強く交渉していくことが成功への鍵となります。

もし光配線化が難しい場合でも、J:COMやG.fastといった選択肢があります。ご自身のインターネットの使い方に合わせて、最適な解決策を見つけていきましょう。この記事が、快適なインターネット環境を手に入れるための一助となれば幸いです。

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